不器用パティシエール-

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こちらは先日のオーダーの12センチの小さなデコレーションケーキ。
当店にはデコの写真などを置いておりませんが、
その理由の一つが、私が毎回違うデコをしてしまうこと。

じつは私、デコが苦手です。
生地作りが大大大好きで、この仕事をしているのですが・・・。
昔はデコをやれと言われると、いやな汗が出てきてしまうほど苦手意識が強かったんです。
これを克服するには、ただ回数をこなすしかありませんでした。
今では生け花をするような、ブロックを組み立てるような、
そんな気持ちでデコを楽しめるようになりました。

私は不器用を自覚しています。
お裁縫なんかはとっても苦手。

専門学校時代、ある有名なシェフが講師としていらっしゃいました。
そのシェフは、「自分が不器用だと思う人、挙手しなさい。」
と言い、私を含め、数人の生徒が手を挙げました。
するとそのシェフは、「自分が不器用だと思う人は、この仕事はやめたほうがいいですよ」
と言ったのです。
当時、反抗精神の強かった私は「何だと~?!」と憤りを覚えつつも、
やはり少し落ち込んでしまいました。

数年たち、私は今も神様のように、最大級に尊敬するシェフの店にいました。
業界内でもとても厳しいと知られるシェフで、長続きする人はごく僅か、
恥ずかしいことに、私も例にもれず短期間でギブアップしてしまいました。
でもそこで過ごした短い時間が、その後私にとって宝物となったのでした。

そのシェフのケーキは、一糸乱れぬ、息をのむ美しさ、絶句する美味しさ。
しかしある日シェフは、「私は不器用だ」と言ったのです。
そして、だからこそ人一倍、いや百倍、努力してきたのだと言いました。
普段冗談交じりに自分は天才だなんておっしゃる方だったのですが、
それを聞いて、天才とは並々ならぬ努力ができる忍耐力を持つ人を指すのだろうと思ったのでした。

その方ほどの努力を私が出来るかはわかりませんが、
少なくとも私はこの仕事を続けています。

いまやパティシエは、女の子がなりたい人気№1の職業だとか。
もしその子たちがいつか、上達しない自分に悩んでいたら、
「大丈夫!頑張れば絶対出来る!私が保証する!」
と、自信満々に言ってあげたいものです。
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by kondouyoogashi | 2011-01-25 16:14 | ケーキ | Comments(0)
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この店は、閉店致しました。が、blogは続く…


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